■ 八名信夫は出過ぎている?〜同じ俳優〜
まず毎回の事件の「黒幕」または、ビデオゲームでアクション物の「中ボス」ともいえるキャラクターに注目しよう。西部警察で言えることは、同じ俳優がよく登場するということだ。
もう、だいぶ前からお気づきの方も多いと思うが、八名信夫氏、黒部進氏、片岡五郎氏、中田博久氏といった悪役専門(?)の俳優さんたちは、何度も登場している。もう、準レギュラーといってもおかしくはない。しかしながら、これに気づくと、オープニングでキャストを見ている段階で、本日の主犯がわかってしまうのである。ありゃりゃ。
余談であるが、悪役でよく登場する黒部進氏は「ウルトラマン」ではハヤタ隊員で、南刑事役の小林昭二氏は「ウルトラマン」ではムラマツキャップ役である。二人が同時に西部警察に出演すると、ウルトラマンでは味方同士になるはずの俳優が刑事役と悪役で登場するという事態も生じてくる。
■ 不死身の悪役?
先ほどのことを踏まえてこちらを考えてみよう。ボス、準ボスクラスの俳優さんに限らず、いわゆる手下クラスの悪役にも、良く見ていると同じ人が登場することは良くある話だ。
だが、気を付けなくてはならないことがある。それは、他の回での話と混同しないように、ということだ。ある回では悪役でも、また別の回では善良な市民の役で登場することもあり得るからだ。
まぁ、「あいつ、何回逮捕されてるんだ?」とか、「何度死んでもまた登場するから不死身だね(笑)」といった声が上がってしまうかもしれない。でも、これらの俳優さんたちが出て来ないと締まらないのが西部警察。悪役っていうのは結構大切な役柄なんですねぇ。
■ 悪役組織の変移
西部署が管轄している城西地区は、針尾組という暴力団(?)のテリトリーである。西部警察 PART-I の頃は、基本的に針尾組が登場する。しかも、針尾組のグループ会社と思われる針尾総業、針尾興業、針尾商事といった組織も注目しておきたいところだ。というわけで、西部警察の劇中、「針尾」と名の付く会社が登場したら、それはまさに悪役となるわけだ。
PART-II、III になると、ストーリーの内容が濃くなり、しょっちゅう同じ針尾組が登場するだけではマンネリ化してしまう。そういうわけなのか、針尾組に代わって登場し始めたのが、竜神会と銀竜会である。こちらも針尾組と同じくして名前を微妙に変化させて登場するようになる。
■ 他にも・・?
針尾、竜神、銀竜といった組織が基本で、事務所などが画面に映ることもしばしばである。また、名前が挙がる程度の組織もあり、これについては「○年前に解散した△△です!」なーんて感じで団長に報告される。
しかし、政治結社や過激派といったものも登場することもあるが、あまりインパクトがないのが西部警察の特徴である。やはり暴力団(?)が悪役の主役なのかもしれない。
■ 前科者とムショ仲間
さてさて、過去に一度罪を犯し、逮捕経験のある者も、また懲りずに罪を犯すことがある。そうともなれば前科者カードの照合をしてすぐに犯人が割れることも数多し。これは、犯行現場や乗り捨てられた逃走車などから指紋が検出されるということが、基本中の基本だからである。(さすがロクさん!)
もちろん、前科者といえども、刑務所に入って心を入れ替え、犯罪の世界から足を洗ったものもいる。前科者のすべてがまた罪を犯すということではない。
ムショ仲間とは、刑務所同期生のことをさす。刑務所で交された会話の中に、事件のカギが含まれていることもあるから、聞きこみ調査の際はムショ仲間にもあたってみる。なお、こういうときに決まって登場するのは武蔵野刑務所である。
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西部警察の悪役でお馴染みの俳優の皆さんが本を執筆されています。
『こんにちは八名信夫です』(八名信夫著/データハウス刊)
『悪役になろうぜビョーキ社会を生きる知恵』(八名信夫著/光文社刊)
『くろい天使愛すべき浮浪者たちの物語』(八名信夫と悪役商会著/データハウス刊)
『愛と正義の大人の食卓ウルトラ旨い!』(黒部進著/ワニマガジン社刊)
『はじめての講師デビューノート折り返しの人生にライトがあたる!!』( マダム路子・片岡五郎 共著/明日香出版社刊)
『悪役が会社を救う人生に活つ!あなたも悪役になれる』(片岡五郎著/プロスパー企画刊)
『「叱る」魔術部下は必ずついてくる!』(片岡五郎著/日本実業出版社刊)