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総武流山電鉄 モハ100形

TOMYTEC・鉄道コレクション第2弾より

モハ105 モハ105

 TOMYTECから発売された鉄道コレクションシリーズのひとつ。先日のMicroAceからの「なの花」&「明星」の発売に続く総武流山電鉄のNゲージである。

路線紹介

 総武流山電鉄は、千葉県松戸市の馬橋駅と流山市の流山駅を結ぶ5.7kmの路線を有する鉄道会社で、駅は6つ、全線単線、交換駅は1駅(小金城趾)のみとなっている。馬橋駅でJR常磐線(緩行線)と乗り換えができるほか、幸谷駅の目の前にはJR常磐線・武蔵野線の新松戸駅もあり、他線との乗り換えも便利である。所有する電車6編成はすべて西武鉄道の中古車で、編成ごとに違う塗装が施されている。地元での一般公募による愛称も編成毎に付けられていることが特筆される。

 もとは地元の住民・有力者が集まって1913(大正2)年に設立した流山軽便鉄道で、流山で生産されるみりんや醤油を常磐線方面へ運ぶ目的であったとされる。その後、流山鉄道、流山電気鉄道、流山電鉄というように社名が変わり、現在の総武流山電鉄となったのは1971(昭和46)年である。

 先述した通り、みりん等を輸送するため貨物列車が1977(昭和52)年まであったため、過去には沿線の工場への引込み線が複数存在していた。平和台駅前のイトーヨーカドーはかつてはキッコーマンの工場であり、貨物の引込み線があったと思われる痕跡をうかがうことができる。他にも、貨物列車用の退避設備跡が残る区間もある。1970年代以降は、沿線の宅地開発が進み、ローカル線といえど都市近郊の通勤路線と変貌していった。普段はのんびりとしたのどかなムードが漂うが、朝の通勤時間帯は3両編成の電車が4本出動するダイヤが設定されるほどの混雑があり、都会のローカル線という珍しい形態を見ることができる。列車はラッシュ時は13分間隔、日中でも15〜20分間隔と運行本数は多いので、実質的に「市内電車」的性格が強く、まさに“市民の足”となっている。無人駅は無く、また列車には車掌も乗務しており、安全面も充実している。

 2005(平成17)年につくばエクスプレス(TX)が開業し、平和台付近で路線が交差するものの、接続駅は設定されていない。流山市内の乗客減が危惧されたものの、流山市役所の唯一の最寄駅は流山駅であることには変わりはなく、市内輸送の流鉄と長距離輸送のTXでは根本的に土俵が違うようだ。

 路線名は総武流山線だが、地元では単に「流山線」と呼ばれているようである。当サイトでは文字数が少なくて楽だという理由だけで「流鉄」と表記している。

実物車輌情報

 もとは南武鉄道モハ100形という小型電車で全部で15両が製造された。1944(昭和19)年、南武鉄道は戦時買収によって国鉄南武線(現在のJR南武線)となった。国有化の後、戦災で廃車になった2両を除く13両のうち大半は日本各地の私鉄に払い下げられてしまった。製造時期によって細かい違いがあるようで、モハ100〜106が1次車、モハ107〜111が2次車、モハ112〜115が3次車、そして諸事情により電装解除されてクハ6000〜6003となった車両の4グループに分けると便宜上わかりやすいと思われる。

 流山電気鉄道(現在の総武流山電鉄)には1949(昭和24)年の電化時にモハ107、モハ115、モハ106の3両、1955(昭和30)年にクハ6002(元モハ113)の1両の合わせて4両がに払い下げられた。これらの4両には流山電鉄へ転籍した際にナンバーが改められて、101〜103、105の番号が付与された。104は忌み番号というためか欠番となっている。面白いことに、4つのグループからそれぞれ1両ずつ入ったことになるため、同形式でありながら4両全てで形態が異なるという事象が発生している。

 単行または他車との併結で運転されていたが、1970年代後半にカラフルな1200形(元西武501系)各車の入線に伴って廃車となった。

モハ105

 モハ105は他の3両と経歴が若干異なっているのが特徴である。モハ113として製造されたが国鉄内で一度山陽地区の路線に転属した後、電装解除されてクハ6002となっている。流山電鉄には転籍した際に、流山検車区で電装改造されモハ105となった。2006年春、鉄道コレクションでモデル化されたのはこの車両である。

 これより詳しい情報については、各種文献や当ページ下部に示した参考サイトをご覧頂きたい。

模型写真

 サーバー容量節約などの大人の事情により大幅に画質を落としているのでご了承いただきたい。

モハ105・パンタ側

モハ105・パンタ側

 ヘッドライトは別パーツになっているため、これを取り外してうまく光源を仕込めば点灯改造は可能かもしれない。

 サボを取り付けると実感的?

モハ105・上方より

モハ105・上方より

 パンタグラフはTOMIX製のPS13に交換して上げ下げができるようにした。付属のランボードパーツは屋根に穴を開けて取り付けてみたのだが、よくよく調べてみるとランボードらしき物体は各サイトで公開されている実車写真にも、流山駅で鉄コレを買ったときに貰った竣功図にも無いので、まさに蛇足を地で行くようなことをしてしまった。

 写真ではパンタグラフの交換しかしていないが、動力ユニット(品番:TM-04)の装着も実施しており、自走が可能な状態になっている。ただし、先頭部分はあえてダミーカプラーのままとしている。かつては客貨混合列車もあったようだし、鉄道コレクションに含まれる貨車を連結しても良いとは思うところだが、とりあえずは単行にすることにした。

 動力を入れないならば最低限カプラーの交換をすれば他車との連結して運転して楽しむことは可能であろう。しかし、小型車両ということもあって車体全体が軽いので、ウエイトを入れたり金属車輪に交換して重量を増やしたほうが良さそうだ。そういう意味では、トレーラー化パーツセット(品番:TT-01)も必要なのかもしれない。

総評

 地方私鉄の小型電車シリーズの中に総武流山電鉄の車種が含まれて幸いであった。今後も他の形式がラインナップに加わることを期待してしまうところである。比較的安価で車両1両が購入できるというのも良いことである。ただ、各方面で聞かれるように鉄道コレクション第2弾は、第1弾に比べて塗装に乱れがあるなど、品質が若干落ちている感が否めないので、次回以降の製品ではこれらの箇所が改善されることを望む。

参考資料・文献・URI等

このページを作成するにあたり、下記の資料を参考にした。

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