しらこばと車輌工場

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JR東日本 キハ35系気動車
キハ30形(相模線)

モデモ 品番:NK502 通勤形気動車 キハ30(相模線色) 4輌セット

キハ30形・相模線 MODEMO製品(加工品)

 国鉄時代に通勤型気動車(ディーゼルカー)として登場したキハ35系列が、MODEMOから製品化された。今回、JAM 2003 限定品としてMODEMOブースで加工品が販売されており、即刻購入。当方、初めてのMODEMO製品の購入に至った。

実車情報

 1961年に登場した、通勤型気動車である。気動車は一般型、急行型といったカテゴリが主流で、通勤型というカテゴリに分類される形式はおそらくはキハ35系列に限られると見られる。なお、キハ35系列と表記したのは、キハ30形のほかに、先に登場した片運転台キハ35形とキハ36形、動力を抜いたキクハ35形、車体更新されたキハ38形なども含めての意味合いである。

 通勤型というだけあって、20mの車体長で、片側3箇所にドアが設けられ、車内はロングシートと、通勤型電車をそっくりそのまま気動車にしたような構成である。ただし、車体強度を保持する関係上、扉は外釣り式になっているのが特徴である。基本的には、一般形と500番台以降の寒冷地仕様に大別される。関東では房総各線、八高線、川越線などに、そのほか都市近郊の非電化路線に投入され活躍した。ここまで来て勘の良い方はすぐにわかったとは思われるが、通勤型の気動車を導入しなくてはならないような輸送力が必要な路線は順次電化され、そうでなければ廃線になるなどしてキハ35系列は活躍の場を失っていった。

 カラーは、一般色のツートンカラー、首都圏色の朱色に始まり、相模線加古川線、和田岬線、久留里線では独自のカラーが施された。そのほかに900番台はステンレスの車体をもち、銀色の車体であったことが特記される。

 近年では、JR西日本の和田岬線で4両編成の運用などがなされていたが、これも電化に伴い引退となる。現在、キハ35系列が運用されているのは、JR東日本久留里線くらいになる。そのほか、関東鉄道に払い下げられ、キハ300形、キハ100形(キハ300のワンマン仕様)となった車輌もある。

路線情報

 JR相模線は、神奈川県の茅ヶ崎〜橋本間(33.3km)を結ぶ単線の通勤路線である。途中、厚木、海老名などを経由する。1921年に相模鉄道が茅ヶ崎〜寒川間を開業させたことに始まり、太平洋戦争・第二次世界大戦の頃に神中鉄道と合併し相模鉄道相模線となる。しかし、相模線のみが国有化されのちの国鉄相模線(当時は国鉄ではなく鉄道省)となり、相模鉄道神中線が現在の相模鉄道として分離独立する。つまり、旧相模鉄道が現在のJR相模線であり、神中鉄道が現在の相模鉄道である。ここ、テストに出ますよ。

 1991年まで、JR東日本・東京地域本社茅ヶ崎運転区(東チサ)所属のキハ30系列による列車が運用されていた。1991年の電化工事完了後は、205系500番台が導入された。

※205系500番台は当初、東京地域本社豊田電車区(東トタ)に配置されたが、横浜支社の発足に伴い横浜支社国府津電車区(現・国府津車両センター)に配置換えとなっている。

購入の経緯

 2003年夏に開催された、JAMに行ったところ、MODEMOブースにて特製品の販売が行われていた。なんと、市場で見かけなりつつある相模線カラーのキハ30形4両セットである。プロの手によってウェザリング、色差しが行われたものであった。かねてよりキハ30形セットを量販店で購入しようと検討していたのだが、プロの手による加工で美品であること、自分での工作研究の一環とすること、JAM限定品であることなどの条件を鑑み、購入を決意した。よって、予算の都合でそのあと有井ブースにて購入したのは101系シーサイドライナーヨコスカタイプのみとし、茶色タイプの購入を諦めたのであった。

模型の考察

 それでは、画像と共に模型の考察をしていく。

編成図

キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30
キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30 キハ30
キハ30
(Mc)
動力車
キハ30
(Mc)
キハ30
(Mc)
キハ30
(Mc)

 4両ともキハ30であるため、どの順番につなげようと大丈夫…。というわけでわない。まず、ヘッドライトとテールライトが点灯するキハ30は動力車とトレーラーで1両ずつ合計2両あるので、それらは先頭に連結する。電飾も動力も装備してないキハ30は2両あるので、これらは中間に連結する。すると、ちょうど良い編成が成り立つことになっている。

前面

キハ30形・相模線 キハ30形・相模線

 この写真を撮影した時点では、行き先方向幕のシールの貼り付けや、形式ナンバーのインレタの転写を行っていない。画像を見ての通り、クリームとブルーの塗り分けは大変鮮明であり、そもそもの製品の塗装が如何に綺麗かがよくわかる。実車の前面の形式ナンバーは、斜めに記されており、模型も同様にキハ30の文字が印刷されている。インレタもこれに倣って斜めにナンバーを転写せねばなるまい。

側面と屋根

キハ30形・相模線 キハ30形・相模線

 ドアの溝などには色差しがしてあるので、車体の凹凸がわかりやすい。通常品では、それがなされていないので、特徴ある外釣り扉があまり目立たないのだが、色差しが行われていることによって、メリハリができて、くっきりして好印象。なお、側面にももちろん形式ナンバーのインレタを転写することになっている。

 通常品では、列車無線とベンチレータを自分で取り付けることになっている。ベンチレータは2種類から選択することができるが、この製品では既に取り付けられている。また、ウェザリング加工の一環として、排煙を出す煙突付近は、煙の煤が付いた跡が表現されている。

 なお、連結器は各車ともTNカプラーが装備されており、リアリティある連結面が再現されている。

総評

 塗装は綺麗であり、可も無く不可もなくの製品である。実車同様、野暮ったい雰囲気を醸し出しているところもまた良い。ヘッドライト、テールライトの点灯もできるし、別売のTOMIX製の室内灯を組み込むことも可能となっている。動力ユニットがもっと小型化されれば、窓から車内の動力機構が見えなくなるので良いかもしれない。

 気になるのは、トレーラーも動力車も、同じ足回りをしているということで、台車にはギアが標準装備になっている。モーターの有る無しに関わらず同じ機構になっているのは、部品の共通化によるコスト削減の為なのだろうか。ギアが装備されているトレーラーの抵抗はどんなものなのだろうか。

 さて、このようにMODEMO製品はなかなか美味しい出来なので、久留里線色や関東鉄道キハ300形セットが欲しくなってきた次第である。そんなことを考えていると、八高線とかも欲しくなってしまうから、自分の財布とじっくり予算会議をせねばなるまい。

 あとは、和田岬線の300番台、ステンレスの900番台の製品化を望みたい。かつてTOMIXからエッチング製のキハ35系列が発売されていたことがあったが、MODEMO製品のほうが素朴な雰囲気があって良いなと思うところだ。そんなわけで、個人的にはMODEMOには是非頑張っていただきたいと思うところだ。

 えっ?某社からもキハ35系列や和田岬線ボディキットが販売されてますって?それについては価格が異常ですねと言いたいのだが、コメントは控えさせていただく。

 ちなみに、2005年以降のKATOの予定品にキハ35系列が加わった(カタログ参照)。安価な製品となることが期待される。MODEMO製品と並べて楽しむことができそうだ。

参考文献、URI等

 解説文の編集については、基本的に付属の説明書と下記ウェブサイトを参照した。

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