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路線情報
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京浜東北線は埼玉県の大宮と神奈川県の大船を結び、都心を縦断している通勤路線である。明確には、東北本線の大宮〜浦和〜赤羽〜上野〜東京間、東海道本線の東京〜品川〜蒲田〜鶴見〜横浜〜桜木町間、根岸線の桜木町〜大船間を直通して運転される列車の愛称である。そのため、京浜東北線という路線は存在しないというのは定説。一部区間には横浜線の電車も乗り入れる。根岸線は京浜東北線には含めないという見方もあるが、利用者には水色の電車であることには変わらないので、厳密な区別をすることはないだろう。
京浜東北線の創世記では「京浜線」や「京浜電車」などと呼ばれていたようだが、昭和7年に赤羽〜大宮間が電化され、省線電車の埼玉県内への乗り入れ開始に伴って、「京浜東北線」と呼ばれるようになったようだ。
省線電車と呼ばれていた大正時代から昭和初期にかけてはよくわからないが、使用車両は旧型国電の72・73系から、103系を経て、現在の209系に至る。途中、101系や205系といった京浜東北線では少数派の電車も運用に入っていたことが特筆される。
東北地方まで結んでいる路線ではないのに「東北」の名前が付いているのはおかしいから「京浜大宮線」と名前を替えるべきだという声が上がった時代があったり、東武野田線との乗り入れ構想が浮上した時代があったりと、埼玉県側でのエピソードはいろいろである。
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実物車輌情報
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京浜東北線では209系0番台が主力として使われているが、モデルチェンジ版の209系500番台が数編成存在している。外見上で最も目立つポイントは、0番台とは異なり、車体の幅が広くなったことであろう。6扉車は無いが、車体の幅が広くなったことにより0番台より定員が増えているため、結果的に混雑緩和に貢献しているといえる。車体幅が広いといっても、近郊型電車と同様に裾に向かっていくにつれて細くなり、床は通常の幅になる形状である。この結果、正面がこれまで以上に丸みを帯びた形状になった。パンタグラフは菱形のものだけでなく、シングルアーム式のものも編成によっては採用されている(当該81番編成はシングルアーム式を搭載)。このようにして209系500番台には様々な新要素が取り入れられたわけだが、このあとに登場した新型車(E231系)へと発展していく橋渡し的なスタイルとなったといえる。
浦和電車区に在籍する209系500番台は、もともと中央・総武緩行線用として習志野電車区に配属された。京浜東北線にデジタルATCを導入するにあたり、工事中の予備車を確保するため、これを装備した209系500番台の編成が浦和電車区に転属となったといういきさつがある。暫定的なものと思われたが、輸送力増強などの名目で浦和電車区に定着したようである。今後、E233系が京浜東北線に導入されて209系0番台が置き換えられる予定があるが、209系500番台は他線への転属により生き残る模様である。
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模型について
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2003年1月にMicroAceから発売された製品で、6両基本セットと4両増結セットという構成になっている。車体のナンバーを調べると、浦和電車区の81番編成という設定になっている。
発売後、しばらく様子を見ていたが、2004年9月にあるお店のセールにおいて破格の値段で販売されていたため購入した。このとき、他社からの発売がまだまだ先になりそうになった雰囲気があったことも購入決断の後押しをしている。
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編成図
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連結すると、下記のような10両編成になる。動力車の設定が7号車となっていて、若干偏っている感はあるが実車の編成の都合上止むを得ないのかもしれない。
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クハ 208-517 (Tc) |
モハ 208-534 (M) |
モハ 209-534 (M) |
サハ 209-568 (T) |
サハ 209-567 (T) |
サハ 209-566 (T) |
モハ 208-533 (M) 動力車 |
モハ 209-533 (M) |
サハ 209-565 (T) |
クハ 209-517 (Tc) |
← 大船 |
大宮 → |
※図ではパンタグラフが菱形になっているが、当該編成はシングルアームになっている。シングルアームの画像は後日用意する予定。
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付属品
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付属品はいつもどおりの他社製カプラー用のアダプターとシール(行き先表示、運行番号)である。
行き先表示は、「快速 大宮」、「南浦和」、「快速 東十条」、「上野」、「快速 東神奈川」、「桜木町」、「快速 大船」が収録されている。行き先は一通り揃っているように見えるが、各駅停車の「大宮」や「大船」、マニアックな「赤羽」が収録されていないのはちょっと残念かもしれない。また、209系500番台は行き先と路線名を交互表示するため、「京浜東北線」も収録されている。行き先を特に指定したくない人はこの表示のシールを貼ると良いかもしれない。
なお、シールの空いたスペースに「蕨」と「洋光台」が収録されている。ただし、基本・増結ともに正面用が3コマずつあるだけで、側面の分は用意されていない。完全にオマケのようである。
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製品画像
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ひとまず編成全体の写真のみ掲載。各部詳細については後ほど写真を追加する予定。
ポポンデッタ川口店にて撮影 |
編成全体
連結して10両編成にした状態である。
このときはまだ付属品のシールの貼り付けを行っていない。また、カプラーも購入当初のアーノルドカプラーのままである。
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総評
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車体そのものの表現は概ね良好である。しかしながら床下機器、台車、パンタグラフは素材のプラスチックそのままのようで、どうも玩具の域を出ないビジュアルとなっている。パンタグラフも弱々しく上げ下げするのが心配で、箱の出し入れの際に引っ掛けて壊さないよう、注意が必要である。クーラーは銀色のはずなのだが、購入から3年ほど経過した現在は金色っぽくなっており、何らかの要因で変色した可能性がある。あまり気になるようであれば、床下機器に塗装を行ったり、他社製のクーラーパーツを取り付けるなどの作業を行うことも検討したい。
その後、同車はTOMIXとKATOから製品化された上、KATO製品にいたっては本製品とナンバーが同じという有様で、本製品が売れ残り品となってしまったのは必然的な流れかもしれない。それにしても、京浜東北線では500番台は極めて少数派でありながら3社で競作となったのは、今後の実車の活躍を見越した意図があるように感じてしまうところであるが、それは深読みしすぎだろうか。
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参考
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このページを編纂するに当たり、下記サイトを参考にした。