しらこばと車輌工場

Google

トップREADYMADE  > 日本国有鉄道103系・京葉線

日本国有鉄道103系・京葉線(津田沼電車区or習志野電車区)

トミックス 品番:92095 103系通勤電車(スカイブルー)基本セット
トミックス 品番:92096 103系通勤電車(スカイブルー)増結セット
ウイン 品番:表示なし 103系スカイブルー増結セット

 TOMIX製品とWIN製品を連結して国鉄時代の京葉線風として仕立てたもの。細部にはこだわらず、雰囲気を重視する。

高運転台と低運転台
▲ 高運転台がTOMIX製、低運転台がWIN製。

路線情報

 京葉線は大まかに言うと蘇我〜東京間を結ぶ路線と、武蔵野線と連絡する南船橋〜西船橋間および西船橋〜市川塩浜間の路線を要する。沿線には大型ショッピングモールのららぽーとをはじめ、船橋競馬場船橋オート東京ディズニーリゾートがある。蘇我では内房線と外房線、千葉みなとでは千葉都市モノレール、新木場では臨海高速鉄道(りんかい線)東京メトロ有楽町線に乗り換えができる。並行する総武本線の混雑緩和や、武蔵野線からの貨物列車を木更津方面へ流す役割も持っていることから、京葉線はまさに東京ベイエリアの輸送を担う路線となっている。

 運転形態としては快速運転が中心となっていていることや、一部列車は蘇我で分割して内房線と外房線へ乗り入れ運転を行っていることが特筆される。なお、武蔵野線は、西船橋〜海浜幕張間および西船橋〜東京間に乗り入れ運転を行っている。

 本来は、川崎市から東京湾岸をまわって蘇我を経由し、木更津市へ至る貨物線として計画された路線である。しかし、日本の物流の変化によって、鉄道による貨物輸送が衰退し、トラック輸送に重点が置かれるようになったために京葉線を貨物線として建設する意味がなくなってしまった。今では環境問題を踏まえ、鉄道による貨物輸送が見直されているのだが、この頃はその正反対の傾向にある時代だった。

 貨物線として計画され、そんな事情から一時は計画が闇に葬られるところであったが、沿線の住宅開発に伴い旅客線として蘇ることになり、1986年に千葉港〜西船橋間が開業する。その後、1988年に新木場まで延伸開業する。旅客線となったため、新木場からは大きくカーブして東京方面へ向かう線路が新たに建設され、成田新幹線計画の一環で造られた東京駅地下ホームへ乗り入れる形で1990年に全線開業となった。ちなみに、新木場から台場方面へ抜ける計画のまま廃止となった京葉線は第三セクターの臨海高速鉄道の手によってりんかい線として後に開業した。

実車情報

 103系は1963年にデビューした国鉄の通勤型電車で、101系の後継にあたる。最盛期には3000両以上もの大所帯となっていたが、現在では新型車の登場に伴って数を減らしている。

 京葉線は開業時からスカイブルーの103系が運用に入っていた。その多くは浦和電車区からの移籍組で、京浜東北線時代そのまんまである。JRへの移行時に103系の転属がいろいろあった関係で混色編成が生じたこともあった。

 開業当初は基本6両+付属4両という編成で運転を開始したが、乗客数がさほど多くなかったのか、すぐに基本4両+付属6両という組み換えが行われた。新木場までの延伸開業時にやっぱり基本6両+付属4両という組み換えが行われた後、10両貫通編成なども運用に入るようになる。最終的には終日10両編成運転となっているが、分割可能な編成は蘇我で分割し、内房線と外房線に乗り入れることもあった。

 電車区の変遷という観点では、開業当初は国鉄千葉鉄道管理局津田沼電車区(千ツヌ)に配置され、それが移転して習志野電車区(千ラシ)となる。JR化の後は、JR東日本千葉支社習志野電車区(千ラシ)として継承されるが、1990年の東京延伸開業と205系の導入と時を同じくして京葉電車区(千ケヨ、現・京葉車両センター)が設立され、京葉線の編成は全て京葉電車区に配置転換されている。

模型概要

 今回は、TOMIX製品の103系スカイブルー基本セットと増結セットに、ブンカオリジナル(WIN)製品の103系スカイブルー増結セットを加えた合計10両編成とした。大きな加工を加えず、極力プレーンな状態として国鉄京葉線の開業当時の姿に近いものを再現することとした。結果的に言えば、加工やJRマークインレタの貼り付けが面倒だったというだけだが……。

全体像
▲ 都合により分割している。

 ただし、WIN製103系の増結セットは作業が必要だ。クハ+モハ+モハ+クハ という編成になっているため、屋根板と床板を入れ替えて クモハ+モハ+サハ+クハ という編成に直したほか、屋根とベンチレーターに塗装を行っている。先頭車は信号炎管パーツとテールライトレンズを説明書に従って取り付ける。また、WIN製品の先頭車は屋根板が曲がってボディとの隙間が生じることが多いので、その原因となる屋根板のツメの先端を3mm程度削っている。

 車番のインレタは、WIN製品とTOMIX製品共に付属のインレタから必要な番号を選んで転写している。行き先方向幕は、ペンギンモデル製「京葉線」シールとGREENMAX製103系ステッカーを使用し、「千葉みなと-西船橋」を選択した。電車区の表記は、「千ツヌ」もしくは「千ラシ」にするのが無難であるが、インレタの転写は見合わせている。

編成図

 車番および連結順番はあくまでも一例として捉えていただきたい。あくまでも、国鉄時代の京葉線の雰囲気を楽しむための編成例である。筆者としては、この3パターンが出来ればそれでOKと考えている。

 まず、主題でもある千葉港(千葉みなと)〜西船橋間開業時の編成の再現とするとこのような図になる。

             
クハ103-319 モハ103-418 モハ102-574 クハ103-572 クモハ103-93 モハ102-213 サハ103-154 モハ103-558 モハ102-714 クハ103-320
○○ ○○ ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○
←千葉港(千葉みなと) 西船橋→

 続いて、程なくして組み換えが行われ、付属編成のほうが長いときの編成の再現とするとこのような図になる。

             
クモハ103-93 モハ102-213 サハ103-154 モハ103-418 モハ102-574 クハ103-319 クハ103-572 モハ103-558 モハ102-714 クハ103-320
○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○
←千葉港(千葉みなと) 西船橋→

 なお、新木場延伸開業時の状態の再現として連結とするとこのような図になる。ただし、これはJR化後なので、厳密にはJRマークを付けたり、ATS-P取り付けに伴ってクモハの運行番号窓を埋めたりするなどの作業が必要になる。

             
クモハ103-93 モハ102-213 サハ103-154 クハ103-572 クハ103-319 モハ103-418 モハ102-574 モハ103-558 モハ102-714 クハ103-320
○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○
←蘇我・千葉みなと 西船橋・新木場→

模型画像

 それでは模型の画像は下記の通り。先述したように、車番はあくまで一例として捉えて頂く。この番号で編成が組まれていたかどうかは定かではないので注意されたし。

クモハ103-93

クモハ103-93

必ず蘇我・千葉港(千葉みなと)側を向く制御電動車。WIN製品であるが、ブンカオリジナルのセットであったため、足回りはTOMIX製である。先頭部はボディマウント式TNカプラーに変更した。JRマークはないがシルバーシートマークはある設定としている。
モハ102-213

モハ102-213

パンタグラフの無い中間電動車でクモハ103-93とユニットを組ませる設定とした。WIN製品であるが、ブンカオリジナルのセットであったため、足回りはTOMIX製である。
サハ103-154

サハ103-154

中間付随車。車体はWIN製だが足回りはTOMIX製である。
クハ103-572

クハ103-572

西船橋・新木場方面向きに連結する設定の制御車。車体はWIN製だが足回りはTOMIX製である。先頭部にはボディマウント式TNカプラーを取り付けた。JRマークはないがシルバーシートマークはある設定としている。
クハ103-319

クハ103-319

蘇我・千葉港(千葉みなと)側を向く設定の制御車。TOMIX製品の基本セットに入っている。先頭部のダミーカプラーはTNカプラーへ交換した。JRマークはないがシルバーシートマークはある設定としている。
モハ103-418

モハ103-418

パンタグラフ付きの中間電動車。TOMIX製品の基本セットに入っている。
モハ102-574

モハ102-574

パンタグラフ無しの中間電動車。TOMIX製品の基本セットに入っていて、この車両が模型の上では動力車である。
モハ103-558

モハ103-558

パンタグラフ付きの中間電動車。TOMIX製品の増結セットに入っている。
モハ102-714

モハ102-714

パンタグラフ無しの中間電動車。TOMIX製品の増結セットに入っている。
クハ103-320

クハ103-320

西船橋・新木場方面向きに連結する設定の制御車。TOMIX製品の基本セットに入っている。先頭部のダミーカプラーはTNカプラーへ交換したが、その意味はあるのかどうかが謎。JRマークはないがシルバーシートマークはある設定としている。

 なお、10両全車に密連形TNカプラー白色室内灯を装備している。WIN製品の先頭車はヘッド・テールライトが点灯しないが、その辺は気にしないこととする。

総評

車両ケース
▲ 10両用ウレタン「はいるもん」はTOMIXのケースに入れると隙間が生じる。

 TOMIX製品とWIN製品は床板の互換性、見た目が似ていることなどから一緒の編成として混ぜてもさほど違和感がないと筆者は考えている。実際、遠目で見ても混ぜてしまえば良くわからないだろう。

 TOMIX製品はモハ103の妻面に配管の表現が成されていないことなど、細かいところを見れば気になってしまう箇所もあるが、気にしないのが吉。現行品はボディマウント式TNカプラーに対応しているため、先頭部のカプラー交換はさほど問題はない。後ほど、10両編成で全車に室内灯を装備すると、編成全体の重量が増して動力車1両だけでは空転して走行不能に陥るという問題が運転会で判明した。動力車にウエイトを積み込むか、動力車を2両にするかのいずれかの策が必要と見られる。

 WIN製品はブンカオリジナル名義で完成品セットとして販売されていても、必要に応じて屋根等の塗装をしておいたほうが良いので、半完成品とみたほうが良い。品質については賛否両論あるが、先頭車の屋根板の歪曲問題は屋根板のツメをわずかに加工することで解決できるので大した問題ではない。

参考資料・文献・URI等

このページを執筆するにあたり、下記の資料を参考にした。

戻る

本ウェブサイトに掲載している文書・画像等の無断転載を禁じます(リンクバナーを除く)。
キットの製作や模型の改造といった作業の実践は自己責任であり、状況によってはメーカー保証対象外になる可能性があります。
本ウェブサイトの利用により、いかなる損害が発生しましても、一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

©2002-2008 Copyright by YUHIKO. All rights reserved.