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点描
新三郷駅 - 1999年3月2日頃

 1985年3月に開業した新三郷駅は、武蔵野操車場を上下線で挟む形で駅が建設された。上下線のそれぞれのホームが離れているという、世にも珍しい構造となり、「世界一上下線のホームが離れている駅」として『ギネスブック』にも掲載された。しかし、利用者にとっては不便以外のなにものでもないため、1999年3月に上下線が統合された。ここでは、上下線が統合される直前の様子を写真でリポートする。撮影日はいずれも1999年3月で明確な日付は失念した。恐らく3月2日ではないかと思われる。

 上下線のホーム間の距離は200mとも300mとも350mとも言われているが、国土地理院発行の縮尺1/15000地図に定規を当てると2cmであったため、実地に換算で300mと計算される。つまり、上下線のホームの開いた距離は約300mという表現で良いと思われる。

略図

新三郷駅略図 新三郷駅略図

 国土交通省、国土地理院、Googleマップなどの空撮写真を参考に、1999年3月頃の新三郷駅の略図を描いてみた。緑色の丸数字は後述の写真5点の撮影地点を示している。

1. 新設の上り線ホーム

新しいホーム 新しいホーム

 まもなく完成する上り線ホームと軌道。既存の下り線は国鉄時代に建設されたものなので、デザインの対比がわかりやすい。

 駅の上にあるトラス橋は国鉄時代に建設された東西連絡通路で、自動車も渡ることができる立派な橋梁となっている。しかし、塗装が剥げてボロボロの様相を呈していた。なお、この東西連絡通路は普通車しか通れず、大型車は他の地下道を通っていた。

2. 役目を終える旧西口

西口ロータリーと上りホーム 西口ロータリーと上りホーム

 東西連絡通路から撮影した旧西口ロータリーと旧上りホーム。ロータリーはバス乗り場とタクシー乗り場があったがとても小さなものだった。写真奥に見えるのは建設中の新しい橋上駅舎と立体駐輪場である。立体駐輪場の建物は当初はその雰囲気からテナントが入る商業施設だと思ったが、単なる駐輪場だと知ったときはちょっと残念だった。とはいえ、自転車置き場の整備は当然のことなので仕方が無い。

 実際に操車場跡地の開発が始まるのはもっとあとで、新設道路の左側(北側)に建設されるのは「らぽーと新三郷」(仮称)となる。

3. 吉川方面を臨む

吉川方面 吉川方面

 旧上りホームの吉川寄りから撮影した写真。発車した103系電車ももはや過去のものである。写真右に見えているのは新駅舎の西口から伸びる新しい道路で、このまま線路を越えて線路の西側の街と繋がる予定である。

 先述したとおり、この写真に写っている範囲の空き地には「ららぽーと新三郷」(仮称)が、その先に「COSTOCO」が建設される。

4. 旧上りホームから見える下りホーム

遠くに見える下りホーム 遠くに見える下りホーム

 旧上りホームの中ほどから300mほど離れた下りホームを撮影した。しかし、途中にある雑草で下りホームの姿などほとんど見えない。注釈で下り列車を指してみたが、わずかにオレンジ色の車体が見えるだろうか。写真手前中央に鎮座しているのはこちら旧上り線の架線柱である。操車場時代には40線もの仕分け線とさらに数本の線路があった場所である。

 この写真に写っている範囲の空き地には「IKEA」が建設される予定であるが、当時はどのように開発されるのかすら予想も付かなかった。

5. 三郷方面を臨む

三郷方面 三郷方面

 旧上りホームの三郷寄りから撮影した写真。到着する武蔵野線の103系電車はまるで単線区間を走行しているように見える。障害物も特に無いので、列車の撮影がしやすかったと思う。写真左隅に下り線があるのだが、ほとんどわからない。線路の脇にある地下道は、線路の西側から操車場内に入るための地下道で、かつては国鉄関係者が使っていたのだろうが、撮影当時は工事関係車両が通り抜けるために使われていたようだ。旧上り線の廃止と同時にこの地下道も役目を終え、地下水汲み上げポンプが停止後は水没したという。

 写真左側の空き地には「IKEA」が、その先三郷方面へ「ららシティ」オフィスゾーン、その先に住宅地と続いて建設が行われる予定である。

 無線操縦のDE11形1000番台が稼動し、コンピュータ制御により全自動で貨車の入れ換えが行われ、機関区や貨車区も併設された国鉄史上、最もハイテクを駆使したと言っても過言ではない武蔵野操車場。貨物の輸送体系の変化により10年で役目を終えた。廃止後は20年以上にわたって広大な更地となっていたが、いよいよ本格的な再開発が始まり、国鉄時代の夢の痕跡も少しずつ消えていくのであろう。

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