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TRANZIT

 TRANZITはNew Zealand(ニュージーランド)の交通・旅行会社で、企画旅行やバスツアーなどを催行している模様である。

Palmerston North(パーマストン・ノース)市営バス

 学生時代にニュージーランドのPalmerston North(パーマストン・ノース)市を訪れた際、市内の移動は路線バスを利用した。パーマストン・ノース市の市営バスは、車体に「Tranzit」というロゴが入っていたため、恐らくはTRANZITに委託を運行しているものと思われる。

 市営バスは、The Square(スクエア、市中心部の大きな公園)の脇にあるバスターミナルを発着する。住宅街を循環してスクエアバスターミナルに戻ってくる4路線8系統のLOOP(循環)線と、スクエアバスターミナルからMassey University(マッセイ大学、現地では“マッセイ”というより“メッセィ”と発音するらしい)を結ぶMASSEY(マッセイ)線の二つに大別される。基本的に、循環線とマッセイ線はスクエアバスターミナルで上り・下り共に接続を取るダイヤになっている。循環線は1〜8の系統番号で、スクエアバスターミナルの発時刻は毎時15分と45分の30分間隔で右回り・左回りに運転される。最終バスは16時45分となっているが、金曜日のみ17時10分の便があった。終バスが早いのは、仕事は17時には終わり、夜は家庭で過ごすという慣習によるものだろう。現地の商店はだいたい17時には閉店し、そのあとも営業しているのはレストランやバーくらいに限られる。また、客層の大半が学生ということもこともあるのかもしれない。マッセイ線の系統番号は10番台となっていて、マッセイ大学のキャンパスが広大なため、経由地により複数の系統が存在する。

 運賃はNZ$1均一である。乗車の際に運転士に支払う。レジスターが付いているのでお釣りもその場で出してくれる。回数券は10回分でNZ$20、オレンジ色の厚紙にレシートを貼ってラミネート加工したもので使用のたびに改札鋏が入る。支払いのあと、運転しながら運転士が回数券を作りだしたのでびっくりした。ちなみに、市内循環各線とマッセイ線を乗り継ぐとNZ$2になってしまうが、「Transfer ticket」(トランスファー・チケット)という運賃割引制度があり、この場合に限りNZ$1.50で乗車可能である。1台目に乗車する際にトランスファー・チケットを利用する旨を運転士に伝えて運賃を支払い、レシートを受け取る。2台目のバスに乗車するときにそのレシートを運転士に渡すという仕組みだ。片道で50セント、往復で1ドルの節約となるため、乗り継ぎ客にとってはお得である。

 ワンマン運転だが、車内放送は無い。過ぎ行くバス停と街並みを各自確認して、窓に張ってある紐を引っ張って降車ブザーを鳴らす。ただ、運転士がカーラジオを聞きながら運転しているときは、ブザー音に気づかないときがある。ブザーを鳴らしたのに目的のバス停を通過したときは怒らずすぐに降りたい旨を伝える。住宅街なら停留所は細かく設定されているので1つくらい通過してもたいした距離ではない。また、予め運転士にどこで降りるか伝えておくのも得策である。

 車椅子やベビーカーは車内に持ち込まない。乗車の際に運転士が折りたたんでリアのフックに引っ掛けてくれる(参考写真:こちら参照)。車椅子を利用する乗客がいる際は、乗降口に一番近い席の乗客が席を譲る決まりになっているようだ。初めて乗ったときは、運転士が車椅子を持ってバス後部へ歩いていったので、荷物スペースでもあるのかと思ったら、フックにぶら下げるだけだったので驚いた。

 暑い日は運転士のお好みで前扉を開けっ放しで走ることもあるが、さすがに片側2車線以上で90km/hくらいまでスピードを出す幹線道路では危ないので閉める。

8740号車(マッセイ線)

ジャーニーK
撮影日:1999年9月13日 スクエア付近

 パーマストンノース市・スクエア付近の交差点にて撮影。白地と青地のツートンカラーだが、白と青の間にオレンジの細い帯が入っているデザインである。前扉と中扉の間に「Tranzit」というロゴが入っている。当時は市内で一番新しいバスだったようだ。座席は前向き4列で、立ち席はあまり用意されていないが、中扉付近の手すりには珍しく降車ボタンがあった。降車ブザーが鳴ると、運転席上部に設置された「BUS STOPPING」と書かれた行灯が光るのも市営バスでは珍しい装備だった。

 車種はいすゞ自動車製のジャーニーKの路線バス仕様とみられる。乗車した際に、ハンドルにいすゞのロゴ、車体には「KAWASAKI BODY」の銘板を確認した。ジャーニーKはマッセイ線限定となっているようだ。なお、ニュージーランドでは左側通行の右ハンドルであることや、日本から輸出されたと思われるトヨタや三菱の中古車が多く走っていることもあって、日本製のバスは特に違和感もなく溶け込んでいる。

 ピントが合っていないため恐縮であるが、正面には「SOURCE」と「OPPORTUNITY」(好機)と思われる文字列が書かれている。何かのキャッチフレーズなのか、スローガンなのか、8740号車の愛称なのか、管理の都合上の記号なのか、これについては憶測の域を出ない。

8477号車(マッセイ線)

ジャーニーK
撮影日:1999年9月17日 スクエアバスターミナル

 パーマストンノース市・スクエアバスターミナルにて撮影。先ほどの8740号車と基本的に同型車である。こちらは「12 MASSEY」という方向幕を出しているが、これはスクエアバスターミナルからマッセイ大学へ直行する路線。他に別のキャンパスを廻ってからマッセイ大学に向かうルートがあり、所要時間が大きく異なる。このように方向幕は前面にしかない上、途中の経由地が書かれていないので、系統番号をよく確認する必要がある。ちなみに、幕は手動なので、写真のようにたまにズレて表示されていることもある。

 正面には「SOURCE」と「AMBITION」(野心)という文字列が書かれている。先ほどの8740号車とは違う文字列である。何を意図しているものかは不明である。

 このページの記事は、1999年9月現在の情報であるので現在とは一部異なる可能性がある。最近の情報は、AIR NEW ZEALANDの現地情報のページや、各自で情報収集をお願いしたい。

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