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トップHANDMADE  > 東京急行電鉄8000系“歌舞伎”更新車

東京急行電鉄8000系“歌舞伎”更新車

 これまで2〜4連という短い編成ばかりを作ってきたが、今回は8両編成という初の長編成である(笑)。8000系は、銀色一色、銀色赤帯、歌舞伎更新車の3パターンが作成候補であったが、ちょっと面倒かもしれない歌舞伎更新車を作成することにしたのであった。

路線について

 東京急行電鉄は、東横線、田園都市線、大井町線、池上線、目黒線、多摩川線、こどもの国線、世田谷線を有し、東京の南西部から神奈川県方面をテリトリーとしている。日本でいち早くステンレスカーを導入したり、交通事情の変化に伴って路線形態を大幅に変更したりと、なにかと話題が豊富である。

実車について

 1969(昭和44)年に将来の地下鉄乗り入れ車用として誕生した電車。日本で初めてのワンハンドル運転台、東急で初めての20m級4扉車ということもあり、初めて尽くしの要素たっぷりである。乗り入れ協定の結果、新玉川線(現・田園都市線)からの半蔵門線乗り入れは同系列の8500系が新たに設計され使用されることとなった。8000系は東横線、大井町線、田園都市線(一部区間)、こどもの国線(不定期)で運用された。

 東急のステンレス車ということもあり、とてもシンプルなデザインである。先述した通り、登場当時のステンレス地のみのスタイル、前面に赤帯が入ったスタイル、前面に赤と黒の帯が入った通称“歌舞伎”更新車と、バリエーションはいろいろある。その後、8500系、8090系、8590系などの後続形式が登場し、細かく分類すると大変なのでここでは割愛する。なお、二代目の5000系(いわゆる新5000系)の増備が始まり、2002年11月からは廃車が始まっている。おいおい、どこか引き取り手に名乗り出てくれる地方私鉄はないのかしら?……なんて思っていたら、一部の車輌が伊豆急行に改造の上で譲渡された。

作成に至るまで

 高校時代(1998年?の夏)に作った作品である。「まぁ、そろそろステンレス車を作るのにも慣れて来たことだし、8両編成くらいのやつを作ってみるか〜!」という勢いを持ち、文化祭に間に合わせるべく作ることにしたもの。今だから言える、というわけではないが、製作当時は8000系には乗車経験もなければ目撃経験もなかった。自分の中では、『のりものアルバム 東京の電車・バス100点』(著者・広田尚敬氏)の初版に掲載されているステンレス地のみの写真のイメージしかなかった次第である。

 ここで、赤帯、黒帯、そして方向幕のLED化などが行なわれた更新車が登場していることを知り、このタイプを作成してみようと思ったところである。

製作記事

 今回は東横線で運用されている8両編成のものをプロトタイプとして作成する。必要な材料は、GREENMAX製品の東急8500系4両編成セット、同3両増結セット(2つ)、パンタグラフ、台車(7両分)、動力ユニットである。セットの都合上、中間車が2両分余る。

組み立て

 組み立てそのものについては素組みである。妻面の組み合わせ、側板の向き、アンテナの位置など、箱に書かれている注意事項に気をつけて作成することになる。特記事項は特にない。塗装前の組み立て部分を大別すると、(1)クーラー、(2)屋根、(3)車体、(4)床板と床下機器となる。なお、動力ユニットを取りつける車輌については、動力ユニットに添付されている説明書にある通りに、干渉するリブを削り取る。

塗装

 まずは車体の塗装。特徴ある前面部分の塗り分けは鉄道カラースプレーによる塗装とした。最初に赤(西武レッド)を吹きつけ、マスキングを行なった後にステンレスのシルバーを、最後に貫通扉部分の黒い部分の塗装を行なっている。

 この時、車体と屋根部は別々にしていたので、屋根は別途ねずみ色で塗装。また、床下は黒なので、正面の貫通扉を塗装するときに一緒に行なっている。

接合

 別々にしておいた、車体箱に屋根部分の取り付けを行なう。このためマスキングの手間が一部省略することができたが、この接合の際には接着剤が塗装面にはみ出ることがないよう、注意が必要である。このほか、別パーツ化してあるクーラーの取り付けも行なう。

デカールとシール

 側面の帯は、キットに付属していた8090系用の帯のデカールを利用している。ただし、細いほうのみを切り取り、車体下方に貼りつけている。このほか、車番と、“TOKYU CORPORATION”のマークもデカールとなっている。

 行き先方向幕はとりあえず「渋谷」としておいたが、LEDタイプではなく通常の幕のものである。これは、友人から聞いた情報に、「派手な更新車の中にはLEDでないやつもあるよ」というものがあったためと、LEDタイプのシールがそもそもキット製品に入っていなかったことにある。とはいえ、当時は車番まで知らないので適当な番号を貼り付けている。後の調査の結果、末期では8021F編成と8023F編成が歌舞伎更新車でありながら行き先表示が方向幕装置のままとなっている編成であった。

表面保護

 当然のことながら、塗装作業とデカール等の貼り付けが終わったあと、クリアの吹きつけを行なっている。シールは大丈夫かもしれないが、デカールは特に要注意な物であるため、表面保護のクリアは必須と言える。

 (数日後、完成した作品を友人に見せたところ、一部の帯デカールがポロっと落ちるという災難に見まわれた経緯あり。デカールの貼り直し、そして窓ガラスを取りつけたあとだというのにクリアの吹きつけし直しという二度手間に陥っている)

窓ガラス

 窓ガラスの塩ビ板は言うまでもなく、ゴム系接着剤で貼りつけ作業を行なう。透明タイプのほうが、はみ出ても目立たないと思われる。

最後に

 必要パーツ類の装着を行なう。パンタグラフ、台車、動力ユニットの取り付けである。いずれも嵌め込み式であるので難しいことはない。なお、カプラーは製作当時の流行だったKATOカプラーNに交換してある。

作品画像

 右の写真は、先頭部分のアップ写真である。正面のみ、黒、赤、銀の3色を塗り分けている。側面の赤帯びは、デカールで済ませている。なお、8両編成ということで、車輌数が多いため各車の詳しい解説はここでは省略。何枚かピンぼけしている写真があるが、その辺についてはご了承ください。

正面
正面(どことなく傾いている…)

クハ8000形
クハ8000形(渋谷方先頭車)
デハ8100形
デハ8100形
デハ8200形
デハ8200形
デハ8100形
デハ8100形(動力ユニット装備)
デハ8200形
デハ8200形
デハ8100形
デハ8100形
デハ8200形
デハ8200形
クハ8000形
クハ8000形(桜木町方先頭車)

余談

 数年後、まさかクロスポイントから塗装済みトータルセットが出るとは思ってもみなかった。そのうちもう一編成作ることになったら利用したい。

 →参照リンク(No.10120東急8000系更新車4両トータルセット)

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