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屋根
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ランナーから、屋根を構成するパーツを切り離し、屋根板にベンチレーターをひとつずつ取り付けていく。ベンチレーター用の穴は最初から開いているので、ここに突起を差し込めばよいが最前部と最後部を除いて緩いので接着剤での固定の際は、向きが揃うように注意する。また、最前部と最後部は屋根裏になにやら突起部分がある関係で穴が途中から若干小さくなっている。ベンチレーターを差し込む際はちょっとだけ穴を広げないと入らなかった。
このほかに、信号炎管を取り付ける。パーツがよりによって小さいので部品がどこかへ弾き飛んでいくことがないよう、取り付けの際には十分に気をつける。
屋根板および屋根上パーツはグレーで成形されているものの、光沢が際立つ素材となっており、そのままではちょっと落ち着きがない印象である。よって、屋根関係が組み上がった後、GM鉄道カラーのダークグレーで塗装した。
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ボディ
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本キットは塗装済みとなっているため、ボディの塗装は不要である。説明書の手順では、屋根が組みあがったらボディに接着することになっているが、筆者はここでは接着作業は保留し、屋根の塗装を済ませた後に接着することとした。よって先に以下の作業を行う。
ボディの前方に必要の無い梁があるので、説明書の通り切り取る。このほかに必要な作業としては窓ガラスおよびライト用のプリズムの嵌め込みである。
窓ガラスの装着の際は接着剤は不要となっているのだが、前面ガラスは緩いためちょっとの衝撃ですぐに外れてしまうため、やむなく少量のゴム系接着剤で固定した。側面ガラスは、縦方向はちょうど良いのだが、横方向に若干長いようで、嵌め込むと側面ガラスの中央部分が浮いてしまうことが判明。これもすぐに外れてしまうのでやむなく接着剤で固定した。
ヘッドライト用のプリズムは接着剤は必要であれば少量でよいと記述されているが、やっぱり心配なので取り付け穴に入れる際に接着剤を使用した。
問題はテールライト用のプリズムである。前面部分に2個のテールライト用の穴が開いている。プリズムがレンズを兼ねるわけだが、これが入らない。なぜ入らないのかといえば、2個の穴の間隔より、プリズムの2個のテールライト部分の突起の間隔のほうが広いようで、片方が入ってももう片方が入らないのであった。1両は無理やり入れたところ無事に入ったのだが、もう1両はプリズムのテールライト部分の突起が破損してしまった。これもやむを得ない事態かもしれない。
このキットで唯一のエッチングパーツがあって、それがヘッドライト部分の金属板である。ランナーから切り出して、該当部分にゴム系接着剤で取り付ける。プリズムに直接取り付けることになるので、少量の透明タイプを使用する。
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下回り
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床板は2種類が用意されていて、製作者に選択は委ねられている。GREENMAX製の台車に対応している床板と、TOMIX製の台車に対応している床板が入っているのである。後者を選択すると、発売予定のライトユニットの取り付けによりヘッドライトやテールライトの点灯が可能になるという。室内灯の装着の可否はわからないが、電飾は取り付けられたほうが面白いと思われるため、今回の作成においてはTOMIX台車対応の床板を使うことにした。また、ボディマウント式TNカプラーの装着が可能であるため、密自連形TNカプラー(0371)を先頭部および妻面に取り付けることにした。
床下機器は説明書に示されている図に合わせて取り付けていく。エンジンパーツは床板の都合上接着面積が小さいため、接着剤が乾燥するまでは外れやすいので注意が必要である。こうならないためにも、製作時の加工に一工夫を入れたほうが良いかもしれない。また、GREENMAXのキットと同じ要領で接着しようとしてもこのキットはABS樹脂であるため通常のプラモデル用接着剤では乾燥、固定までに時間がかかる。ゴム系接着剤での接着のほうが良いはず。
TOMIX製の台車枠からカプラーポケットを削り取り、車輪を嵌め込んで、キット付属のボルトとナットで床板に取り付ける。TOMIXの台車は完全にパーツ単位でばら売りされているのだが、ボディマウント式TNカプラーを取り付けることを踏まえると、台車枠と車輪だけ用意すれば大丈夫である。なお、台車はDT22が本来の姿であるが、動力ユニットをDT33で代用した都合上、トレーラー車もDT33で統一することにした。こだわる方は、DT22を換装させるのが賢明である。
先述した通り、動力ユニットはTOMIX製のDT33のものを購入し、取り付けることにした。ボディマウント式TNカプラーの取り付けに伴い、既存のカプラーポケット部分の除去を行う。また、床下機器のパーツは取り外し、キットに入っている床下機器のパーツを代わりに取り付ける。ところが、TOMIXの床下機器パーツは当然のごとく嵌め込み式なのだが、このキットの床下機器パーツは嵌め込む仕組みにはなっていないため、動力ユニットに両面テープで取り付けることになっている。適宜の幅に切った両面テープを用いる。
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インレタ、シール
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付属のインレタの転写をしておく。ナンバーはキハ37の5両分が用意されているが、このキットではトイレが無い1000番台が表現されている上に、1000番台が2両同時に持っていても問題がなさそうなのは久留里線であるので、1002号車、1003号車を選択した。このインレタは、どちらかというと転写しやすいようだ。
朱色(赤11号)時代のキハ37の写真がないかどうか探したら、自宅クローゼットの中に『のりものアルバム JR東日本・北海道の列車100点』(講談社)という懐かしい本を発見。国鉄が民営化され、JRになったばかりの頃の久留里線で、朱色(赤11号)のキハ37にJRマークがでかでかと貼られている写真を発見した。これにならって、TOMIX製のJRマークインレタを転写しておいた。ただ、写真資料が少なく、調査不足の感は否めないため、JRマークの貼り付け位置や箇所がこれで合っているのかどうかが不安である。
方向幕はMODEMO製のキハ30に付属しているシールの白幕が余っているので、これをキハ37に合わせて切って貼りつけた。
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その他
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購入当初、車体が少々赤すぎるのではないかと思った。しかし、後々調べてみるとキハ37の登場時は赤11号に塗装されており、他の気動車で使われている首都圏色(朱色5号)より赤い色をしていたとのこと。よって、この塗装済みキットの色はその赤11号を再現しており、特に問題は無いようだ。赤11号はGM鉄道カラーに設定されていないため、この色のみ塗装済みキットとして発売したものとみられる。つまり、赤11号以外のキハ37については、既製品の塗料で再現が可能という判断だったのだろう。
※赤11号の塗料はその後、ジェイズから缶スプレーで発売されている。
発売が予定されているライトユニットがどのような仕様になるのかがわからない。よって照明関係の組み込み作業の見通しが立たないため、屋根板をボディへ固定するのは当分の間は保留とするつもりであった。しかし、3年経った2007年夏現在でもライトユニットが発売されないため、屋根板が固定されていない状態は不安定なので、運転会への出場を機にボディに固定した。
床下機器は、未塗装のままよりは塗装したほうが良さそうな気がするが、現在のところ塗装は検討中である。床下機器の中で、トレーラー車のエンジンパーツが、車両の持ち方によっては外れてしまうので、対策を練る事としたい。