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製作動機
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最初に、国鉄40系電車を作ったわけだが、正直なところ失敗である。そこで、本来作りたいと思っていた茶色い電車を思いきって作るべく、また再び単品の旧型国電を買い集めはじめたのであった。今度は、キット購入は間違えることもなく、憧れの旧型国電の再現に燃える筆者なのであった。
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キットの購入
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今回の必要なキットは、GREENMAXの単品キットを4両分と、その関連パーツである。
- No.150:クモハ41(GREENMAX) ×2
- No.151:クハ55(GREENMAX) ×2
- 台車:TR23(GREENMAX) ×3
- 動力ユニット:DT13(GREENMAX) ×1
- 鉄道カラー:No.2(ぶどう色2号)
- 鉄道カラー:No.10(黒)
- 鉄道カラー:屋根ならびに機器に使うグレー各種。
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組み立て
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組み立て手順は、説明書の通りである。まさに、そのまんま素組となる。なお、トイレを設置する場合、一部の窓を埋める必要が実はあったりするのだが、今回はトイレ無しということにするため、無用な加工・改造作業は一切しない。
……とか言っておきながら、床下に別パーツのトイレタンクを付けてみたりしている。トイレが無いのにトイレタンクがあるって、どういうことなのか。そこんところは気にしないこと。
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塗装
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車体の色は、ぶどう色2号(要するにブラウンである)をスプレーで吹き付ける。濃い色なので発色が良く、そんなに難しいことはない。だからこそ、塗装にムラができにくいという安心感があったりする。
床板に床下機器やダミーカプラーなどを取り付けたところで、黒のスプレーを吹き付ける。この点についても、特に記述することはない。
屋根の塗装をしようとしたところ、スプレーが途中で力尽きてしまった。仕方がないので、親からデコパージュ用の(アクリル)絵の具を借りて、黒と白を適当に混ぜ合わせ、グレーを作成。平たい筆で塗ることにした。なお、ベンチレーターはプラスチックの元の色を生かすべく、無塗装にした(単なる手抜きである)。
塗装が終わったところで、クリアーを拭きつけた。なんとも色艶のある仕上がり。なんとなく、博物館に展示してある電車、もしくは全検明けの電車のようである。
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ガラスの取り付け作業
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ゴム系の接着剤を用いて、ガラスパーツである塩ビ板の貼りつけ作業を行う。トイレ窓用に曇りガラスを再現したパーツも入っていたのだが、先述したとおり、トイレを装備していない車輌なので使わなかった。
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その他
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オプションというかなんというか、No.62のスノープロウを付けてみた。これで雪国仕様になった。おそらく実車には取り付けられてはいないと思われる。
カプラーは全てKATOカプラーNに交換済み。連結面は割りと狭くなっている。GREENMAXの別売りパーツである貫通幌を取りつければなお良いかもしれない。
以前に作った40系のオレンジ、それに秩父鉄道800系と、動力ユニットは共用。走らせるときに交換することにしている。これも節約のためである。
なお、形式番号などのインレタを購入していないため、無記名のままである。
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実車情報
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40系は1932(昭和7)年に国鉄城東線(現在のJR大阪環状線の一部)の電化に併せて製造された電車を始めとするグループの総称である。20m車(モハ40・41・60形、クハ55形、サハ57形、クハニ67形)と、東京地区(山手線)向けの17m車(モハ33・34形)に大別される。17m車は当時の山手線はホームの有効長などの都合で17m級の電車しか配置できなかったため、このような複数の形態が製造されたという。20m級の40系は製造の過程でモデルチェンジが複数回行われ、切妻形の初期車のほかに、半流形や全室運転台形が登場したり、ベンチレーターが3列になったタイプやノーシル・ノーヘッダーとなったスタイルまで存在していた。最終的には他形式からの改造編入車や、中間車の先頭化改造車、先頭車の中間化改造車、連合軍専用車などもあって、バラエティーに富んだ電車の一つとなった。
第二次世界大戦後の1950年代に更新修繕工事が行われた。その内容はベンチレーターをグローブ型へ交換したり、運転室窓のHゴム化といったものである。このキットを素組みすると、そのような戦後の更新車を再現することになる。
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編成図
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この電車がどこの路線を走っていたかなんて、私は知りません。旧型国電を作りたかっただけなのです。
…と、一言二言で済ますと旧型国電ファンの先輩諸氏に叱られるかもしれないので調べることにした。GREENMAXキットの入っていた袋の台紙の説明書きや書籍を読むと、キットに該当するスタイルの車輌は雑多な旧型国電と連結されて運用されていたらしい。よって、クモハ41とクハ55だけを連結した純粋な40系による編成は宇野・小野田線くらいでしか行われていなかった模様だ。
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作品画像
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クモハ41
走らせて気付いたのだが、TOMIXの線路とホームだと、駅構内進入時に車体の裾をホームに擦ることが判明。これって、GREENMAXのオーバースケールっちゅーやつですかね。
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クハ55
茶色はこの渋い色合いが好き。
こちらのクハは中間に連結をするため、ダミーカプラーは取り付けていない。
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クモハ41
この車輌に動力ユニットを搭載。左側が浮き上がっているのは、大急ぎで線路に並べたためで、本来なら隣の車輌と1ミリ程度の誤差でボディが収まっている。
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クハ55
コチラは反対側の先頭車を担当。ダミーカプラーとスノープロウを装備している。
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編成全体・その1
う〜む、旧型国電はやっぱり、茶色じゃなきゃね。そしてベンチレーターがズラーっと並んでいる屋上は、いまどきの電車では見られないですな。しかし、この写真じゃピンぼけしているなぁ…。
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編成全体・その2
というわけで、撮りなおし。こちらはピンぼけをしてない。しかしながら、色のせいもあるかもしれないが、正面が暗くなってしまった。スノープロウが付いていることはこちらの写真のほうが分かりやすいかもしれない。
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形式名などのインレタの転写を済ませれば、本当の意味での完成。この勢いで、旧型国電を今後も増車していきたいところだ。もちろん、茶色を中心に。
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参考資料・文献・URI等
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このページを執筆するにあたり、下記の資料を参考にした。