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秩父鉄道 800形電車(新塗装)

 “限定品”というフレーズに反応して焦って購入、制作。焦りがゆえに大失敗。模型は落ちついて作りましょう。

はじめに 〜 焦りと衝動買い

 購入当時、模型店に並んでいるGREENMAX製品の限定品キットといえば、「103系3000番台・川越線」、「119系・飯田線」と、この「小田急1800系」であった。いずれのパッケージにも限定品という文字が書かれていたため、早いうちに確保しておかねば売りきれてしまう、という焦りがあった。秩父鉄道の車輌を揃えたいという衝動もあって、大急ぎで購入したキットなのである。

実車情報

 模型製作当時、既に実車は廃車されて存在しなかった。保存車輌や写真を資料とするしかなかった。

路線紹介

 秩父鉄道は、埼玉県内に鉄道路線を持つ明治32年設立の民間鉄道会社(私鉄)である。羽生〜熊谷〜三峰口間の71.7キロの秩父本線のほか、武川〜熊谷貨物ターミナル間の貨物線7.6キロも保有している。駅数は全部で38駅である。中小私鉄でありながら、旅客輸送と貨物輸送を共に扱っている。旅客輸送は国鉄や都営地下鉄から払い下げ車によって行われている。かつては自社発注の電車が用いられていた。貨物輸送では石灰石やセメントなどを長編成の貨物列車で運行している。また、蒸気機関車「パレオエクスプレス」の運行はSLファン、鉄道ファンでなくても魅力ある列車となっている。埼玉県北部の景勝地「長瀞」「秩父」を沿線に控えており、観光事業にも積極的である。花見やハイキングなどの季節イベントを企画したり、荒川上流での長瀞ラインくだりや宝登山ロープウェイの運行にも携わるなど、多彩な顔を持つ鉄道会社である。他社からの乗り入れは現在では西武鉄道からの列車のみであるが、かつては東武鉄道東上線や国鉄からも臨時列車の乗り入れが行われていた。

■関連本をさがす:『秩父鉄道の100年―保存版』、『秩父鉄道新風土記

解説

 小田急電鉄より1800形を購入し、800形電車とした旧型電車。車体長20m、扉が片側4箇所といえば、ピンと来る人がいらっしゃるとは思うが、元は国鉄63系である。2両編成を2本連結した4両編成で運用、全部で10編成が在籍していたが、1986年から元国鉄101系(現1000形)を導入した関係で廃車となった。

編成図

クハ850 クハ850 デハ800 デハ800 クハ850 クハ850 デハ800 デハ800
クハ850 クハ850 デハ800 デハ800 クハ850 クハ850 デハ800 デハ800
クハ
850
(Tc)
デハ
800
(Mc)
クハ
850
(Tc)
デハ
800
(Mc)
← 羽生・熊谷 影森・三峰口 →

 編成は旧性能電車らしい電動車と付随車が2両一組となるものである。

製作記事

 今回は、ボディが最初から組みあがっている一体成型キットである。

材料

  • 小田急1800系キット(グリーンマックス)
  • 台車/DT13(グリーンマックス)
  • 動力ユニット/DT13(グリーンマックス)
  • PT42パンタグラフ(グリーンマックス)
  • グリーンマックス鉄道カラー(番号)/屋根:グレー、車体:黄色5号(12)、帯:ぶどう色2号(2)、床下:ブラック

 車体のカラーは、いずれも代用品である。厳密な色にするのであれば、自家調色するべきであろう。

組み立て/加工

 先述した通り、このキットは、車体が既に組みあがっているため、大掛かりな組み立てや加工は必要としていない。必要な作業といえば、クハ850のジャンパ栓受けの彫刻を削り取ること、乗務員室用のハシゴパーツ、ベンチレーター、パンタグラフを取りつけることくらいである。

塗装

 今回は、黄地に茶帯という俗に言う新塗装、通称「チョコバナナ」色にした。最初に屋根のグレーを塗装。マスキングをした後、車体の黄色を塗装。さらにマスキングをして帯の茶色(ぶどう色)を塗装する、という手順である。

 黄色は随分と発色が良くなかった。結果的に厚塗りになってしまい、塗装にムラが発生してしまった。屋根のグレーをもうちょっと明るい色にして全体に塗っておくべきであった。また、帯を塗る際にもマスキングテープの隙間から茶色が染み込んでしまい、ドア付近などが汚くなってしまった。

ステッカー

 行き先方向幕、列車種別のステッカーを貼り付ける。先頭車を入れ替えて連結すると行き先を変えることができるように、「羽生」と「三峰口」にしてみた。なお、形式名や社紋はインレタが別売りとなっているので、これを貼りつけると良い。

表面保護

 今回の塗装は大失敗というわけで、将来的に一旦塗装を落とし、塗り直しを考えている。そんなわけで、今回は表面保護スプレー(クリア)の使用は見合わせることとした。

その他

 動力ユニットは、以前作成した旧型国電と共用とした。台車が同じなので。これで、動力ユニットの購入費用節約ができた。

作品画像

クハ850

クハ850

羽生側を向く先頭車。

デハ800

デハ800

三峰口側を向く先頭車。この模型ではこの位置に動力ユニットを入れる。

クハ850

クハ850

羽生側を向く先頭車。この場合、中間連結をしている。

デハ800

デハ800

三峰口側を向く先頭車。

 塗装の乱れが著しい……。

 旧塗装と新塗装(通称:チョコバナナ)の2種類があったことを考えると、これもそのうち作り直しが必要である。箱には「限定品」という記述があるが、時折模型店でキットを見かける。GREENMAXのエコノミーキットの「限定品」の定義がいまいち分かりにくいのだが…。時期を見て作り直しをするチャンスはあるはずだ。

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